救援対策本部ニュース第32号 2011.4.27
いい加減にしろっ、もう沢山だ! 黙っていることはもうできない
「想定外」と耳にするたび腹が立ってしかたない
仙台市在住の作家、熊谷達也さんが地元の新聞『河北新報』に書いています。
沿岸部の被災地の人々は、あるいは私を含め、東北に生きることで同じ痛みを抱え、困難な未来を共に引き受けようと覚悟しているものは、誰ひとりとして「想定外」という言葉は口にしない。…目の当たりにした数々の光景はそんな簡単な一言で片付けられるはずがなく、無言を貫くか、懸命になって違う言葉を探そうとするかの、どちらかだ。
だが、内に抱える腹立ちや怒りを、今回ばかりは、遠慮せずに言葉にしていいのではないか。…ここまで言葉に傷つけられ、それでも黙っていることはもうできない。
東京に電気を送るために、私たちは進んで原発を引き受けたのではない。原発なんかなくても暮らすことはできた。原発がなくては暮らせないように東北の村を作り変えたのは、首都圏のエゴイズムだ。
東京にだって、私たちの痛みを同じ視線で共有しようとしてくれている人々がいることを、一緒に痛みを引き受けようとしてくれている人々が沢山いることを私たちは知っている。それには素直に感謝している。しかし、それを差し引いても、私の腹立ちが治まる気配は一向にない。…これ以上傷つけられるのはもう沢山だ。